Vtuberがサブカルを超えてTVでも普通に取り上げられるくらいに有名になったが、出てきた当初に僕が想像していたのは「キャラクターが設定を維持し、アニメキャラと喋る感覚でコミュニケーションを取る」ものであると考えていた。ただ実際と違ったのは、作られたキャラ設定よりも中の人がむしろメインの人格として成り立ち、視聴者側も演者側を応援、考察しているという点だった。これはVTuberが出てきてから、僕が見た中だと「にじさんじ」辺りからそういう流れが強くなったように思う。
あくまでVtuberはバーチャル上の存在で・・・という建前はあるが、前世が話題に上がることも多いし、むしろ最近ではガワのキャラではなく中の人を(顔は映さないが)アイドル的に扱っているケースも少なくない。
要はバーチャル側が二次的なものになり、顔の見えない中の人が実は表の姿・・・というような流れが来ていると感じる。
既視感のある構造だと思ったら、声優と演じるキャラの関係性に近いように思う。昔ほどは強くないが、声優がアイドル的な扱いを受けつつ、演じるキャラと同一視か、むしろそれ以上の認識をしている場合もあり、「あのキャラはあの声優がやっている」という風に声優側がメインとなり、キャラを二次的に扱うような流れもあった。なので声優側が問題を起こすと演じたキャラが貶されるような状況も見受けられた。
声優とVtuberは共通点もあるが、違いもある。
Vtuberの良い点として、現状は供給がしやすいという点である。顔出ししてアイドルをするというのは一般的にかなりの壁になりうるが、ビジュアル面を創作することでその壁を超え易くしている。
また、プライベートを隠しやすいのもある。声優が週刊誌等でスクープされるようになった現在では、姿を見せずに活動できる事はその人自身のキャラクターのコントロールがしやすいし、活動における負担も少なくなる。なので、挑戦する心理的ハードルは低く見える。
ただ、流入が多い分すぐにレッドオーシャンになり、あっという間に高い専門性や他にはない強い個性を持たない人々は残り続けるのが難しい環境となった。そこで差別化を図ることになるのだが、例えば音楽性が高かったり、イラストレーターだったり、学術系のように特定ジャンルに強いなどの方向もある。ただ、そういった人たちはそもそもがその仕事をしている人がサブで行っている事が多いし、かなり稀な例だ。
では、そうではない人達はどうするか。
もちろんキャラクター性を保ち活動を続けていこうとするVtuberもいる。ただ、現状の配信者界隈で生き残る為にはライブ配信や動画を大量に出さなければならない。その上でリアルタイムの視聴者の言葉に対応し、その回答を全て設定から導き出すなどというのは不可能だ。
そして、多くのVtuberがライブ配信を選んでいるという点は中の人の人格を前面に出していく要因になっていると考えられるし、むしろライバーの事務所も本人もそういった部分に人気が集まるという事には自覚的だろう。実際、大手事務所では本人自身で活動していたり、別の名称で活動していて人気だった人を採用していたりもする(と言われている)。
それはVtuberの設定を初めから仮のものとして、そういう設定を与えられた本人がどういう回答をするか、といった部分を楽しむ、入れ子構造の形になっているとも言える。ここでも視聴者の視点はキャラクターではなく、本人にある。
このように、私たち視聴者の興味関心は設定として書かれた部分を容易に超え、その設定の隙間にある日常を見たいと願う。ライブ配信は編集が入りこまない分、キャラクター設定よりも中の人の声が出やすいし、お互いに交流のレスポンスも良くなり視聴者を引きつける。
そうしたプロセスを経て先鋭化した結果の一つが中の人のアイドル売りであると思う。
その両者の違いにおいてアイドルや声優業界では堂々と顔出しして本人を売りに出来る点が逆にメリットとなる。先ほど書いたように、週刊誌にスクープされて話題になるように演者のプライベートな情報を知りたいという人も多い。アイドル業界も一面ではそういったパーソナルな部分を切り売りしながら人気を得ている面があるように思う。
なので、Vtuberも中の人をより人気のあるアイドルとして売りにしていくのであれば、公開できる情報は多いほうが良い。キャラクターの裏に隠れている中の人の情報とのトレードとして人気を獲得出来る。
もちろん隠すべき情報もあるが、その内容はyoutuberもVtuberも同じレベルになるのではないか。
要は設定を持ったアニメキャラを演じる配信ではなく、初期設定はあくまで最初の会話のきっかけとし、情報を徐々に公開していく事で最終的には本人自身と感じられる「Youtuber」へと近づき、最終的にyoutuberとVtuberとの違いが無くなっていく、という傾向になるのではないか。
そう考えると、一時期めっちゃ炎上したけど中の人が入れ替わるという形でキャラを続けているというのは、むしろ当初のVtuber像を守っているのかもしれない。あくまでキャラが主体であり、中の人の背景は見えないようにするか、取り替え可能な状態にしておく。それが良いことなのかはわからないけど。
今後、Vtuber独自の形での盛り上がりを提供出来るのか、それとも現状のライブ配信主体での活動が続くのかは気になる点である。
もしそうでなければ、またはもしかしたらもうyoutuberとVtuberの境目が無くなり、いつの間にかVtuberという言葉自体が死語になる、なんてこともあるかもしれない。
以上、ツッコミどころ満載だとは思いますが、VTuberについて思うことでした・・・。
ちなみに推しはぽんぽこさんとピーナッツくんです。

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