2025年6月16日月曜日

上林暁の本を読み直す。語ること。

鬼籍に入られた永田希氏の「再読だけが創造的な読書術である」を読んだ。
度々読み直すが、読むたびに読書の力みを解いてくれる気がする。
わかってはいても、いつの間にか読書に身構えてしまう。
そんな時に永田氏の本や、若松英輔氏の本で力を抜いてからまた読む気力を蓄える。
(とはいえ、読めない時は読めないから、その時は寝っ転がったりしている。)

その勢いのまま、芥川龍之介の「河童」、上林暁「星を撒いた街(夏葉社の新装版)」のいわゆる病妻物の一編を読む。
上林の病妻物は苦手だったが、少しだけ読めるようになった。

彼女や妻を支える感覚が想像でしか無いので、どうにもマイナスなイメージしか湧かない。
文学の読み方として、体験していないことは大きな負債なんだろうと思う。
とはいえ、その辺はどうしようもない。

上林の作品は、風景描写の色彩感覚と、僅かな出来事に対する感情の表現が細やかだと思う。
後に出版された本では意外と子供には厳しい人であったと書かれていたのは意外だった。
(それでも当時の基準では普通のようで、尊敬はされていたんだろうと思う。)

せっかく読んでるんだし、尾崎一雄との違いをもっと明確に言葉にしたいな、と思う日々。


こんな感じで思ったことを特段厳密に証明をせずに書いているのは、リハビリ代わりになっているかもしれない。
若林氏の作品で「書くことと読むことは呼吸と同じ関係」とあってから実践している。


先日、VRChat読書イベントで語ることの重要性を語ってもらえた。
間違いを厭わず語ることがお互いの世界を変えるかもしれない。
雑然とした解釈の中で生まれる思考もあるかもしれない。
そんなことを思いつつ、本を呼んで感想を言い合うのは楽しい。

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